大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和33(あ)417 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人本人の上告趣意は、原判決の単なる事実誤認、被害者を尊属と解釈したこ

との違法及び憲法三七条二項違反を主張するが、前二者は刑訴四〇五条の上告理由

に当らない。後者違憲の論旨について検討するに、記録によると、被告人は勾留中

原審第一回公判に出頭しておりそこで現場検証及び現場での証人五名の尋問をなす

べきことの決定があつたが被告人は格別これに立会の申出をなさず、右検証、証人

尋問には久保田弁護人が立ち会い、更に、被告人は同第二回公判にも出頭したがそ

の際右検証調書、証人五名の尋問調書を取調べることにも異議を述べなかつた、な

お原審が証拠として採用した右証人尋問調書については被告人は第一審でこれら証

人の捜査官に対する供述調書を証拠とすることに同意したからこれらの者に対する

反対尋問権はすでに放棄されたものといわなければならない。従つて違憲の主張は

前提を欠く。しかも勾留中の被告人について公判外の証人尋問に立ち会う権利を認

めなくても違憲でないことは当裁判所の判例とするところであつて(旧刑訴法につ

き昭和二三年(れ)一〇五四号同年九月二二日大法廷判決、集二巻一〇号一二二五

頁、昭和二四年(れ)一八七三号同二五年三月一五日大法廷判決、集四巻三号三七

一頁、新法につき昭和二六年(あ)二三九〇号同二八年三月一三日第二小法廷判決、

集七巻三号五六一頁)、この点からも違憲の主張は理由がないのである。

弁護人菊池利光の上告趣意第一点は、違憲をいうが、刑法二〇〇条が憲法一四条

に違反するものでないことは当裁判所の判例とするところであり(昭和二四年(れ)

二一〇五号同二五年一〇月二五日大法廷判決、集四巻一〇号二一二六頁)、所論は

理由がない。

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同第二点は、単なる事実誤認、量刑不当の主張で刑訴四〇五条の上告理由に当ら

ない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和三三年七月一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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